透明な君



「おりゃっ!」


半ば跳ぶように
体当たりするようにしてヒトミの腕を掴んだ。


「ぃよっしゃ!!」


荒れている息を整えつつ、歓喜した。


「捕まるなんて思ってなかったな…速いね」


「たりめーだろ」


疲れていても
強気でいてみせる。


「陸上部に勧誘しちゃおうかな」


「そりゃムリだ。ちっと走っただけでこのざまよ」