透明な君



「って、あれー!?」


サトルがいないっ?
薄暗い廊下に向き直るとサトルの小さい後ろ姿。

「えぇーっ!?
ちょっ…僕どうすればいいんだよっ??」



誰が答えてくれるはずもないのに叫んだ。


行ったほうがいいのだろうか?
でも、なんか2人の問題っぽい雰囲気だし…

でも僕も関係してるみたいだし…っ?



歪んだ顔を両側から手のひらでバチッと叩き、
遅いスタートをきった。

走りながら
自分の優柔不断を軽く憎んだ。