透明な君



「えっ…!?」


思わず声をあげてしまった…。


「あ」


サトル、ヒトミと
目があった。



「ご…ごめん…
盗み聞きするつもりはなかったんだけど…出ていきづらくて…」


サトルが困ったように言葉を探していると

ヒトミはバッと口を両手で押さえサトルの下から這い出て薄暗い廊下へ消えていく…


「あ…!どこ行くの!?ヒトミちゃーんっ!?」

僕の呼びかけを無視して走っていってしまった。


どうしよう…?


「ねぇ?サトル~どうしよう!?」


どうしていいかわからずに
サトルに振り返り
頼ろうと情けない声をだした。