「違った。お前はハルキに同情していたわけじゃなかった」
はぁ…短くため息をつき高ぶる感情をおさえた。
「お前は暴れるハルキを見て安心したんだ」
カタカタとヒトミの体が小刻みに震えていた。
「…たし…私…」
「黙ってろ。お前は叫ぶハルキの一言一言に共感しつつもどこかでハルキを見下ろしていたんだ。自分より苦しんでる。
そう思えば楽になれてたんだろ?」
「あ…ああ…。わかってる。わかってるからっ…!私が一番わかってるからぁっ!!!」
「黙ってろっ!!
優越感で救われてたんだろ。ハルキを踏み台にして、笑顔を取り戻していった!!」
「言われなくてもわかってるってばっ!!」
傷ついているヒトミの傷をさらにえぐるように冷たく言い続けた。


