透明な君


「生易しすぎですよね…」



チラッと先生をみると
どこかを見つめていた。

なんだか
先生の横顔と沈黙が
妙にじれったく感じた。

「先生…?」


何か 知ってるの?



「お前は…サツキの両親が離婚してること、知ってるか?」


担任は普段から全生徒の名前を
呼び捨てにしている。

親しみをこめるために。

「あ…はい。
とても優しい父だったそうですが母のほうと不仲になったとかで…」


サツキの両親は離婚していた。
ほんの一年前に…。


でも
それが何の関係があるのだろう?