「あ、でも、お仕事の前にみなさん聞いてください」

 切り出してしまったものの、一気に視線が集まって、紗綾は緊張する。だが、十夜が軽く肩を叩いて勇気付けてくれる

「私、ここをもっと相談しやすい場所にして、霊障で困ってる人を一人でも多く救いたいんです。皆さんの負担は増えてしまうかもしれませんけど……」

 綺麗事と笑われるかもしれない。実際に救うのは彼らであって紗綾ではない。
 自分達を使う気かと言われても仕方のないことだと思ってた。

「賛成!」

 真っ先にぴっと手を挙げたのは永遠子だった。

「私の賛成は絶対よ! 逆らう奴は破門よ、は・も・ん!」

 まるで女王の如き、横暴さである。
 けれど、誰も文句は言わなかった。
 誰が始めたか拍手で賛同してくれた。その中には「おめでとう」という声も混じっている
 それが新しい始まり、新たなオカ研の誕生の瞬間だった。