「貴様のものではないだろう」

 ぶすっとした態度で十夜が言い返す。

「ああ、もう自分の物気分なんだ? そう? 俺を敵に回すんだ? これまで助けてきてあげたのに恩知らずだよね、十夜君」

 嵐までも何やら怒りのオーラめいたものを放出し始めている。
 完璧に悪魔の表情である。魔王よりも魔王らしいかもしれない。

「な、なんで、みんな、そんなに怖い顔してるんですか……?」

 魔王と策士と魔界王子が睨み合って不穏な空気を出している。
 紗綾にはどうしてこんな展開になったのかがよくわからない。
 会議は続けられそうにない。

「くそっ! 海斗の話なんて聞くんじゃなかった! あの野郎!」

 そこでハッとする。結局、昨日は圭斗と海斗のこともあり連絡を控えたのだ。
 彼からも連絡はなかった。
 どうなったのだろうか。