「なんスか! なんなんスか!?」

 翌日、放課後、いつもの部室で圭斗が叫んだ。
 彼はクラスで用があり、少し遅れるとのことだった。
 そして、やっと来たかと思えば、突然この騒ぎようである。

「うるさい、黙れ。会議中だ」

 十夜が顔を顰める。
 会議と言うと大袈裟だが、そういうことなのかもしれない。
 圭斗が遅れてくると言うから、紗綾はまずは嵐に今後の活動案を話していたのだ。
 彼は厳しいことを言うわけでもなく、賛成してくれた。その上で圭斗の意見は必要ないとして話を進めたのだ。
 今後、どういった形で相談を受けるか、相談箱を設置してみるか、それとも人目を気にせずメールで気軽に送れる形にするかという議論だった。

「俺の紗綾先輩を涼しい顔で掠め取るなんて!」

 怒りながら、圭斗はドカッとソファーに座った。
 彼には何も報告していないのだが、わかってしまったということなのかもしれない。