Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~

「部長……?」

 何も言ってくれなければ不安になる。
 紗綾はじっと十夜を見つめるが、視線を逸らされてしまう。

「……勝手にしろ」

 彼なりの許しなのだろうか。
 それだけで、すっかり黙り込んでしまい、紗綾は不安になる。

「やっぱり、具合が悪いんですか? 風邪、まだ治ってないんじゃあ……」
「いや……」

 十夜は首を横に振る。
 黙り込みながら、何かを言いたげにしている。
 それでいて待っても、話を切り出す気配もなく、紗綾はいたたまれなくなる。

「そ、それじゃあ、また放課後……」

 これからは、きっと、ここで会えるのだ。
 だから、話ならいつでもできる。
 これが最後なわけではないのだから。