「か、噛むなよ!」
いきなり声を上げた圭斗に、一体何事だろうと紗綾はぎょっとした。
「な、何でもないっス」
圭斗はどこか恥ずかしそうにしている。それが、自分には見えないものに関係したことだと紗綾は察する。
「そこにいるんだね、頼斗さん?」
「ええ――ペット厳禁なんだから出てけよ」
頷いてから、圭斗は追い払うような仕草を見せるが、また顔が小さく歪んだ。
「だから、噛むなって。他に見える奴いたら、どうするんだよっ」
「私も見えたらいいのにって、いつも思うよ。見えるせいで、みんな苦しんでるってわかってるのに――」
右手を振る圭斗を見ていると何だか微笑ましい気持ちになる。
頼斗自体は見せてもらったことがあるのだ。だから、多少、想像はできる。けれど、やはり想像に過ぎないのだ。
同じ物を同じように見るとは限らない。だが、そもそも同じ物が見えていないというのは苦しい。
いきなり声を上げた圭斗に、一体何事だろうと紗綾はぎょっとした。
「な、何でもないっス」
圭斗はどこか恥ずかしそうにしている。それが、自分には見えないものに関係したことだと紗綾は察する。
「そこにいるんだね、頼斗さん?」
「ええ――ペット厳禁なんだから出てけよ」
頷いてから、圭斗は追い払うような仕草を見せるが、また顔が小さく歪んだ。
「だから、噛むなって。他に見える奴いたら、どうするんだよっ」
「私も見えたらいいのにって、いつも思うよ。見えるせいで、みんな苦しんでるってわかってるのに――」
右手を振る圭斗を見ていると何だか微笑ましい気持ちになる。
頼斗自体は見せてもらったことがあるのだ。だから、多少、想像はできる。けれど、やはり想像に過ぎないのだ。
同じ物を同じように見るとは限らない。だが、そもそも同じ物が見えていないというのは苦しい。

