「君が黒羽のことを好きだって、好きになるってわかってた。君が自覚するまで望みがあるなんて思ってた。卑怯だよ、俺は。全然フェアじゃない」
紗綾は胸が苦しくなる。全て見透かされている。
彼は悪くないのに、卑怯ではないのに、何を言ったら良いのかわからない。彼を苦しめているのが自分なのだと今はわかっているのに。本当に卑怯なのは自分の方なのかもしれないとさえ思うのに。
「でも、無駄な足掻きはもうやめるよ」
壁から体を離して、将也は顔を上げた。
「だって、心が決まったって顔してるから」
ふっと将也が微笑み、紗綾はほっとする。
「前の黒羽には渡したくないって思ってたけど、今の黒羽になら……ううん、今の黒羽に任せるべきなんだと思う。だから、安心して黒羽にぶつかればいいんだよ」
十夜がどんな答えを出すかはわからない。それでも、紗綾は将也が言うようにぶつからなければならなかった。
それが、紗綾なりのケジメだった。
紗綾は胸が苦しくなる。全て見透かされている。
彼は悪くないのに、卑怯ではないのに、何を言ったら良いのかわからない。彼を苦しめているのが自分なのだと今はわかっているのに。本当に卑怯なのは自分の方なのかもしれないとさえ思うのに。
「でも、無駄な足掻きはもうやめるよ」
壁から体を離して、将也は顔を上げた。
「だって、心が決まったって顔してるから」
ふっと将也が微笑み、紗綾はほっとする。
「前の黒羽には渡したくないって思ってたけど、今の黒羽になら……ううん、今の黒羽に任せるべきなんだと思う。だから、安心して黒羽にぶつかればいいんだよ」
十夜がどんな答えを出すかはわからない。それでも、紗綾は将也が言うようにぶつからなければならなかった。
それが、紗綾なりのケジメだった。

