Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~

「……やはり俺の敗北は覆らないか」

 ぽつりと海斗が呟く。何のことかはわからないが、彼は続ける。

「だけど、まだ認めるわけにはいかない」
「負けとかそういうことじゃないと思います」

 よくわからないながらにも違うと感じる。
 勝ち負けとかそういうことではなかったはずなのだ。
 紗綾は彼と勝負をしているつもりはない。これはゲームではない。

「君はずっと諦めていただろう? 俺が出口をこじ開けてやるまで」

 今度は海斗の反撃なのかもしれない。
 余計なことを言い過ぎたのかもしれない。
 そして、何より彼の言う通りだ。紗綾は本来海斗のことに口出しできるような立場ではない。

「実際、その出口は今、君の手によって塞がれたが」

 紗綾は彼が出口を作ってくれたとは思わない。
 それは彼にとっての出口でしかなかった。それも真実の出口ではなかったが。