「私が知っている人は、その一時だけは大切にします」
一期一会の心で臨む彼のことが脳裏をよぎる。無愛想だが、通常時よりは歩み寄ろうとしているように思える。
「久遠の弟十夜君」
言い当てられて紗綾は動揺しなかったわけでもない。
けれど、何よりも今になって彼を理解したことに驚いていた。過ぎ去ったことを美化しているのかもしれない。
否、彼はいつだって助けてくれた。現在がどうであろうとそれは事実だ。
「彼こそ拒絶している」
「そうかもしれません。でも、あなたみたいに自分を守るためではありません」
無愛想なのは元々内気な性格だったのに加え、一度、心を閉ざしてしまったからだと聞いている。
だが、他人を攻撃することはない。呪うなどと口走るのも、自分から遠ざけたいからで、本当はできもしないのだろう。したくもないことを言っている。
人が嫌いなのではない。嫌いになれないからこその距離なのかもしれない。
一期一会の心で臨む彼のことが脳裏をよぎる。無愛想だが、通常時よりは歩み寄ろうとしているように思える。
「久遠の弟十夜君」
言い当てられて紗綾は動揺しなかったわけでもない。
けれど、何よりも今になって彼を理解したことに驚いていた。過ぎ去ったことを美化しているのかもしれない。
否、彼はいつだって助けてくれた。現在がどうであろうとそれは事実だ。
「彼こそ拒絶している」
「そうかもしれません。でも、あなたみたいに自分を守るためではありません」
無愛想なのは元々内気な性格だったのに加え、一度、心を閉ざしてしまったからだと聞いている。
だが、他人を攻撃することはない。呪うなどと口走るのも、自分から遠ざけたいからで、本当はできもしないのだろう。したくもないことを言っている。
人が嫌いなのではない。嫌いになれないからこその距離なのかもしれない。

