「……申し訳ありませんが、お断りさせていただきます」
妙に口の中が乾燥している。
それでも、はっきりと紗綾は言い切った。
「おや? 君なら断らないと思っていたのですが、何か心境の変化があったようですね」
さも驚いたように海斗は言う。
だけど、彼はわかっていたようにも思える。今は彼の何もかもが演技に思えている。
「どっちの海斗さんが本当なんですか?」
「私は私ですよ」
海斗は、なぜ、そんなことを聞くのか、とでも言いたげだった。
けれど、紗綾はずっと気になっていた。彼には明らかな二面性がある。
他人の前では穏やかな人に見える。しかし、近しい人間にほど冷たいのかもしれない。あるいは、近付こうとする人間にもそうだと言えるのかもしれない。
妙に口の中が乾燥している。
それでも、はっきりと紗綾は言い切った。
「おや? 君なら断らないと思っていたのですが、何か心境の変化があったようですね」
さも驚いたように海斗は言う。
だけど、彼はわかっていたようにも思える。今は彼の何もかもが演技に思えている。
「どっちの海斗さんが本当なんですか?」
「私は私ですよ」
海斗は、なぜ、そんなことを聞くのか、とでも言いたげだった。
けれど、紗綾はずっと気になっていた。彼には明らかな二面性がある。
他人の前では穏やかな人に見える。しかし、近しい人間にほど冷たいのかもしれない。あるいは、近付こうとする人間にもそうだと言えるのかもしれない。

