三人の相談を終えた後で、海斗は食事にと誘ってくれた。
 特に空腹だったわけでもないのだが、紗綾には話さなければならないことがあった。
 どうしても、今、言わなければ、また流されると思っていた。
 このまま彼の思い通りになるわけにはいかなかった。

「今日は連れ回してしまって申し訳ありません」
「いえ……」
「とても助かりました。君を連れてきて良かったと思っています」

 そう微笑む彼は確信犯だろうと紗綾は感じていた。
 疑惑だけがグルグルと渦巻いている。

「またお願いしても構いませんか? そう頻繁にとは言いませんし、君にとっても良い経験になると思いますが」

 それは最早協力すると決め付けて言っているようだった。
 彼は何か手応えでも感じたのだろうか。だとしたら、間違っている。