Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~

「司馬、丁度良いところに」
「ああ、本当だ。彼女はやっぱり鼻がいいのかもね」

 将也も佐野が指す方向を見た。

「泉水さん!」
「泉水!」

 二人が呼びかけると彼女はくるりと振り返り、寄ってくる。

「おおっ、王子三人で何してんのさ?」

 カメラを手にした彼女はとても目が輝いているように見えた。

「逃げた黒王子を連れ帰るところなんだけどね」
「あわわわわっ、何て可愛いお姫様がいるのさ!」

 くるっと紗綾の方を向いたかと思えば、思いっきり抱き着いてくる。むぎゅっとぬいぐるみにでもするように、容赦がない。

「折角だから記念撮影でも、と思ったんだけど……」
「とりあえず、離してやれよ。可愛い後輩が死ぬぞ」

 身動きできず、声も発せなかった紗綾はそこでようやく解放された。

「で? 撮影って言った? 言ったよね?」
「うん、記念撮影をしたいんだよ」
「そういうことなら、どんとこい! じゃんじゃんばりばり撮っちゃうよ!」

 カメラを構えた泉水は目の色が違った。人が少ないところへグイグイと引っ張っていく。

「ささっ、並んだ並んだ!」

 強引に並べられ、何回もシャッターが切られる。
 全てはあっと言う間の出来事だった。