Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~

「姉さんとお呼びって言ったでしょ?」
「年齢をごまかすのは無理があるよ」

 姉弟という設定で乗り込んできたのだろうか。
 永遠子は何歳のつもりなのかはわからないが、既に親子だとクラスメイトにバラしてしまったことなど言えるはずもない。

「何か?」
「何でもないです、姉さん」

 久遠が折れれば、永遠子はニッコリと微笑む。

「まあ、それは、また今度ね」

 今度などあるのだろうか。
 思ってしまっても幸い口には出なかった。

「何か言いたいことある?」

 永遠子が優しげな眼差しを向けてくる。
 何かを言うべきなのだろうか。
 彼らが上にいることは間違いないが、言ってどうにかなることなのだろうか。

「文句とか色々、何でもいいわよ。迷惑かけちゃったし……まあ、いつでも言ってね」

 それが許されるのは今の内だろうか。
 きっと、紙切れ一枚でその関わりも白紙になるだろう。

「じゃあ、楽しい文化祭を」

 永遠子はひらひらと手を振る。一番、楽しみにしているのは彼女なのかもしれない。