Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~

「でも、策に溺れたような感じはあるよ」

 嵐はカップをコトリと置く。寂しげに感じる様子で。

「俺はオカ研の顧問として、月舘を利用しなきゃいけなかった。担任の先生としては、そんなことしたくなかったんだけどね」

 嵐の言葉も、どこまで本心かわからないところがある。
 彼の言動には散々翻弄されているのだが、今は本当のことしか言っていないのだと信じてしまいたくなる。たとえ、それが策だとしても。

「だってさ、月舘の守護霊に用があるからオカ研にいて、なんて言ったら君は去っていくでしょ?」
「それは……」

 自分が選ばれた理由をずっと不思議に思っていた。
 十夜の力が本物だと確信すればするほど、わからなくなった。
 けれど、はっきり言われても受け入れることはできなかったかもしれない。自分を一番信じることができないのだ。