Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~

 バンと荒々しく、屋上の扉が開け放たれ、驚きで涙が引っ込んでしまったようだった。

「紗綾から離れて下さい!」
「香澄……?」

 扉の前で仁王立ちしているのは香澄だ。
 ジャージ姿で、振り乱した髪のまま、息を切らして十夜を睨んでいる。

「貴様には」

 十夜も香澄を睨み返す。けれど、彼女は臆さない。
 そして、そのまま大股で紗綾の所まで歩いてきて、十夜から遠ざけるようにした。

「関係ないとは言わせない! 私は紗綾の親友だし、もしものことがあったら、私はあなたを殴るって言いました」

 香澄は本気だ。
 本気で怒っていると感じるが、彼女に彼を殴らせるわけにはいかなかった。

「サイキックだから何なんですか! 自分達にしかわからないからって、他人の意思無視して、何してもいいと思ってるんですか!?」

 怒る香澄の服の裾を紗綾はただ掴んでいるしかなかった。
 香澄は今にも十夜に殴りかかりそうだったからだ。

「ちゃんと説明してくれるまで、紗綾は部活には行かせません」
「納得できる説明を求めます」

 紗綾も香澄に続く。
 そして、十夜は何か言いたそうにして、それから出て行ってしまった。