そんな時、ガラリと扉が開き、「おい」と不機嫌な声が降ってくる。
振り返れば十夜が眉を顰めて立っていた。普段はあまり動かないくせに、どうやら耐えかねたらしい。
「何をしている?」
「わ、わからないです」
紗綾の返答を聞くなり、十夜の表情は険しさを増した。
だが、この状況を解説して欲しいのは紗綾も同じだった。
「サヤ、あなたはボクの運命の人です!」
魔王と呼ばれ、恐れられる男を前にしてもリアムは態度を変えなかった。
新入生だろうと誰であろうと、知っていようといなかろうと、本能的な恐怖を相手に与えるこの男を前にして。
やはりただ者ではない、と紗綾は思う。
天使と悪魔の対峙、自分ではどうにもならないと判断して、紗綾はさっと十夜の後ろに隠れた。
「さっきからこんな調子で困ってるんです」
「貴様は自分では何もできないのか」
「ここに逃げ込めばどうにかなると思ったんです」
「貴様の駆け込み寺にするな」
「だって……」
十夜の言うことは尤もかもしれない。
だが、これは紗綾にとって一番使いたくない最後の手段だったのだ。
こんなことをせずに済むなら、心も痛まなかった。
振り返れば十夜が眉を顰めて立っていた。普段はあまり動かないくせに、どうやら耐えかねたらしい。
「何をしている?」
「わ、わからないです」
紗綾の返答を聞くなり、十夜の表情は険しさを増した。
だが、この状況を解説して欲しいのは紗綾も同じだった。
「サヤ、あなたはボクの運命の人です!」
魔王と呼ばれ、恐れられる男を前にしてもリアムは態度を変えなかった。
新入生だろうと誰であろうと、知っていようといなかろうと、本能的な恐怖を相手に与えるこの男を前にして。
やはりただ者ではない、と紗綾は思う。
天使と悪魔の対峙、自分ではどうにもならないと判断して、紗綾はさっと十夜の後ろに隠れた。
「さっきからこんな調子で困ってるんです」
「貴様は自分では何もできないのか」
「ここに逃げ込めばどうにかなると思ったんです」
「貴様の駆け込み寺にするな」
「だって……」
十夜の言うことは尤もかもしれない。
だが、これは紗綾にとって一番使いたくない最後の手段だったのだ。
こんなことをせずに済むなら、心も痛まなかった。

