そのまま、 紗綾は部室へは行かなかった。今は行きたくなかった。
遅れて行くという話にはなっていたが、連絡もしたくはなかった。
もうどうでもいいとさえ思っていた。
もしかしたら、怒りを覚えていたのかもしれない。
今までずっと服従してきたオカ研への反逆だったのかもしれない。
そんな時に足が向いたのは陸上グラウンドだった。
少しだけ、陸上部の練習をこっそり覗いたら帰ろうと思っていた。
それなのに、香澄に見付かってしまう。
「あれ? 紗綾? どうしたの?」
香澄は首を傾げる。
三年生が引退し、今では香澄が部長だ。
将也の意志を継ぐ彼女を慕う人間は多い。
「えっと、見学……しても大丈夫?」
その、たった一言さえ口にするには躊躇いがあった。
遅れて行くという話にはなっていたが、連絡もしたくはなかった。
もうどうでもいいとさえ思っていた。
もしかしたら、怒りを覚えていたのかもしれない。
今までずっと服従してきたオカ研への反逆だったのかもしれない。
そんな時に足が向いたのは陸上グラウンドだった。
少しだけ、陸上部の練習をこっそり覗いたら帰ろうと思っていた。
それなのに、香澄に見付かってしまう。
「あれ? 紗綾? どうしたの?」
香澄は首を傾げる。
三年生が引退し、今では香澄が部長だ。
将也の意志を継ぐ彼女を慕う人間は多い。
「えっと、見学……しても大丈夫?」
その、たった一言さえ口にするには躊躇いがあった。

