「いくつか質問させていただきますが、よろしいですか?」

 彼の意図はわからないが、紗綾はこくりと頷く。
 知りたいことが、聞きたいことが紗綾にもあるからだ。

「君はオカルト研究部の一員だそうですが、どうやって選ばれたんです?」
「黒羽部長の眷属が……」
「黒羽十夜君、ですね?」

 やはり、海斗の方は十夜を知っているらしい。黒羽オフィスの関係者だというのなら、知っていて当然かもしれない。
 だが、逆は、本当のところはどうなのだろうか。十夜は忘れているのか、本当に知らないのか。

「その……こっくりさんみたいなので、えっと……」
「彼の眷属が君の名を示したと?」
「そうです。でも、私はサイキックじゃなくて……」

 要領を得ない説明だった。だが、海斗は頷く。