ちらりと盗み見た十夜は何の話だか全くわかっていない様子だった。そして、気になってもいないようだ。
「今日、戒斗さんっていう人が来てたんです。圭斗君のお兄さんみたいで、サイキックで……」
サイキック、その言葉を口に出せば、変な気分になる。
蛇の道は蛇、十夜の方が知っているはずなのだ。
「部長は知っているんですよね……? 戒斗さんのこと」
思い切って聞いてみる。
「知らん」
あまりにそっけない返事だった。
「前に先生が言ってた人って戒斗さんのことじゃないんですか?」
圭斗とオカ研を繋ぐ誰か、それはきっと戒斗のことだろうと紗綾は半ば確信していた。
圭斗の憎悪、サイキックであること、そして、嵐の言い方では十夜もその人物について知っているようだった。
「知らんと言ったはずだ」
「すみません……」
それ以上は聞くことは不可能だった。
聞いたところで何かが変わるわけでもないだろう。
それでも、どうにかしたいと思ってしまったのだ。
圭斗があまりにも辛そうで、彼の家族の問題だと思いながらも、見て見ぬ振りはできなかった。
「今日、戒斗さんっていう人が来てたんです。圭斗君のお兄さんみたいで、サイキックで……」
サイキック、その言葉を口に出せば、変な気分になる。
蛇の道は蛇、十夜の方が知っているはずなのだ。
「部長は知っているんですよね……? 戒斗さんのこと」
思い切って聞いてみる。
「知らん」
あまりにそっけない返事だった。
「前に先生が言ってた人って戒斗さんのことじゃないんですか?」
圭斗とオカ研を繋ぐ誰か、それはきっと戒斗のことだろうと紗綾は半ば確信していた。
圭斗の憎悪、サイキックであること、そして、嵐の言い方では十夜もその人物について知っているようだった。
「知らんと言ったはずだ」
「すみません……」
それ以上は聞くことは不可能だった。
聞いたところで何かが変わるわけでもないだろう。
それでも、どうにかしたいと思ってしまったのだ。
圭斗があまりにも辛そうで、彼の家族の問題だと思いながらも、見て見ぬ振りはできなかった。