「今日のところは落ち着いて話せそうもないな。また、来る」
「二度とくんじゃねぇ! てめぇの顔なんか見たくもねぇ!」
「それは無理だ。どう足掻いても俺とお前の繋がりは消えないんだからな」
くそっ、と圭斗が悪態を吐く。
この兄弟の間に何があったのか紗綾にはわからない。
入り込めない空気が、高い壁のようにそこにある。
「今度は二人っきりで話をしたいですね、紗綾さん」
くるりと振り向いて、戒斗が微笑む。穏やかだが、どこか恐怖を感じる。
名前を教えてはいない。圭斗が呼んだだろうか。
「その人に近付くんじゃねぇよ!」
「それも無理だ。彼女には知る権利がある」
何の権利があると言うのか、聞いてみたくてもできない。
戒斗は小さく頭を下げて去って行ってしまう。
その後を追うこともできたはずだった。
けれど、圭斗が舌打ちをして、紗綾の手首を掴んで歩き出す。
少し痛い、そう感じても言えなかった。話しかけられる空気ではなかった。
ただわかるのは、圭斗がとても怒っているということだけだ。
「二度とくんじゃねぇ! てめぇの顔なんか見たくもねぇ!」
「それは無理だ。どう足掻いても俺とお前の繋がりは消えないんだからな」
くそっ、と圭斗が悪態を吐く。
この兄弟の間に何があったのか紗綾にはわからない。
入り込めない空気が、高い壁のようにそこにある。
「今度は二人っきりで話をしたいですね、紗綾さん」
くるりと振り向いて、戒斗が微笑む。穏やかだが、どこか恐怖を感じる。
名前を教えてはいない。圭斗が呼んだだろうか。
「その人に近付くんじゃねぇよ!」
「それも無理だ。彼女には知る権利がある」
何の権利があると言うのか、聞いてみたくてもできない。
戒斗は小さく頭を下げて去って行ってしまう。
その後を追うこともできたはずだった。
けれど、圭斗が舌打ちをして、紗綾の手首を掴んで歩き出す。
少し痛い、そう感じても言えなかった。話しかけられる空気ではなかった。
ただわかるのは、圭斗がとても怒っているということだけだ。

