Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~

「行くぞ」

 十夜が小さな声で言う。
 部外者が立ち入ってはいけないような気がして、紗綾もそうするべきなのだと思った。
 そうして、離れようとしたが、圭斗に腕を掴まれてしまった。
 行くな、とその目が訴えている。まるで、縋るように。

「本当に知らない」
「隠さないでよ! 私は知ってるのよ!?」
「俺は知らない」

 はっきりと圭斗は言う。白を切っているという様子ではない。

「そんなはずがないわ!」
「俺には関係ないことだから」

 圭斗が辛そうな表情になっていくのは、なぜだろうか。
 腕を掴まれたまま、紗綾はどうしていいかわからない。十夜を見ても無駄だった。彼こそこういう場面を苦手としているだろう。