「多分、あの二人は物凄く依存する関係なんだよ」
「破滅的なくらいに、っスね」

 嵐と圭斗が言うことを紗綾は理解できなかった。破滅的な関係とは悲しすぎる。あれでも、二人は幸せだったのだろうと紗綾は思っていた。

「八千草は危うすぎるし、色々大袈裟だからね。彼女はそんな八千草を助けることで、優越感に浸っちゃうんじゃないかな。溺愛してたのは自分を否定しないから」

 光はかつて魔女を女神と、嵐と十夜を神様仏様と崇めていた。あれほど感謝されれば依存もするだろうか。

「俺はそういうの冗談じゃないっスね」
「君は平気で見捨てそうだけどね」

 嵐は当て付けがましく言うが、圭斗は決して動じない。彼は見た目に反して落ち着いているところがある。