Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~

「あ、兄貴の様子がおかしいんです。何かに怯えてるみたいで……」

 やっと決心したように野島は話し出した。

「でも、何かはわからないし、俺には見えない何かが見えてるような……」
「その前に何があった?」
「大学の友達と肝試しに行くって……」

 野島自身もそれが原因だと思っているのだろう。十夜の表情も厳しくなる。

「そいつは今どこだ?」
「どうにかしてくれるんですか!?」

 野島は希望が見えたようだった。

「見みければわからない」

 霊障であることを確認し、その相手を見なければ、対処できない。


「一応、八千草に連絡取ってみる?」

 その言葉に十夜が嫌そうな表情を見せた。
 嵐は楽しそうにケラケラと笑っているが、答えなどわかりきっているだろう。
 八千草と関わるとろくなことがない。それを二人はよく知っているのだ。
 嵐は三年間、十夜は二年間、彼に振り回されている。
 紗綾が見てきた一年間だけでも凄まじいものがあった。
 だが、幸か不幸か、ただの冗談では済まなくなってしまった。