Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~

「部長、えっと、霊障の相談で……」

 言いかけたところで、紗綾は強く腕を引かれて入り口から離れるしかなかった。

「い、いや、いい! やっぱ、止める! ほ、ほら、兄貴と同じ大学にも霊能者いるって言うしさ、兄貴の他の友達に何とか頼んで紹介してもらうから!」
「ここまで来たのに……?」
「ここまで来ちゃったからだよ! 大体、これは俺じゃなくて兄貴の問題だしさ」

 野島は何か感じるのか。否、何があるのだろうか。
 どうしたらいいのかと紗綾が困っていると後ろから声がした。

「野島の兄貴って何大?」

 振り返れば、嵐がいた。

「えっと、南大ですけど……」
「じゃあ、どうせ、またここに来ることになるよ。ね、月舘?」
「そ、そうですね……行き着く先は一緒ですね」

 嵐に同意を求められて紗綾は頷く。野島の努力がまるっきり無駄になってしまうことだろう。