放課後、紗綾は野島を連れて、部室に向かっていた。一人では行く勇気がないと彼が言ったからだ。どうせ、行き先は一緒なのである。
それでも、彼の足は重く、ゆっくりとしたペースで少しずつ近付いていた。
そして、やっと部室が見えた時、急に彼が紗綾を制した。
「ま、待ってくれ、月舘。俺はまだ心の準備が……」
彼は言うが、今、止まればさっさと引き返してしまうだろう。
紗綾は思い切って部室の前に行き、扉に手をかけようとした。
いざとなれば、十夜を呼んでしまえばいいのだ。
あまり強引なことは好きではないのだが、オカ研部員として霊障を放っておくわけにはいかない。
「本当に待ってくれ、月舘! 俺は、今、何か物凄い不安を感じている!」
何がそんなに不安なのか野島は大慌てである。
「大丈夫だよ」
「いや、いや、ダメだ! ここはやっぱり、本当に普通じゃない」
「そ、そうかな……?」
扉の窓に目隠しがしてあり、メタルバンドのステッカーが貼ってあるだけだ。
今の時間に妙な音がすることもない。そもそも、オカ研の部室周辺で起きたという怪現象には種も仕掛けもあるのである。
それでも、彼の足は重く、ゆっくりとしたペースで少しずつ近付いていた。
そして、やっと部室が見えた時、急に彼が紗綾を制した。
「ま、待ってくれ、月舘。俺はまだ心の準備が……」
彼は言うが、今、止まればさっさと引き返してしまうだろう。
紗綾は思い切って部室の前に行き、扉に手をかけようとした。
いざとなれば、十夜を呼んでしまえばいいのだ。
あまり強引なことは好きではないのだが、オカ研部員として霊障を放っておくわけにはいかない。
「本当に待ってくれ、月舘! 俺は、今、何か物凄い不安を感じている!」
何がそんなに不安なのか野島は大慌てである。
「大丈夫だよ」
「いや、いや、ダメだ! ここはやっぱり、本当に普通じゃない」
「そ、そうかな……?」
扉の窓に目隠しがしてあり、メタルバンドのステッカーが貼ってあるだけだ。
今の時間に妙な音がすることもない。そもそも、オカ研の部室周辺で起きたという怪現象には種も仕掛けもあるのである。