「でも、永遠子さんも久遠さんも凄いよ。毒島さんもいるし」

 サイキックではない紗綾には正確にその凄さを測ることはできないが、見えなくとも、信じることができた。

「が、学割効く?」
「が、学割……」

 それはどうなのか、紗綾は真剣に考えてしまった。
 きっと、野島にとっては切実な問題なのだろうが、相談料など聞いたこともなかった。

「まあ、あの性悪男ならタダなんだから、とりあえず行ってきなさいよ」

 香澄が溜息を吐いた。
 そんな心配はまず十夜に相談してからにしろと言いたいようだ。

「た、田端も一緒にこねぇ?」

 野島が縋るように香澄を見る。

「何で私が!?」
「だって、何か安心しそうな……」
「クッキーがいるわよ、クッキーが」
「そっか……クッキー、顧問にさせられてるんだっけ」

 野島は馴染みのある人物に少しほっとしたようだった。
 けれど、噂ではオカ研に利用されている自分達の担任が実は策士であることを彼は知らない。
 知る者は皆口を閉ざしているのだから。