圭斗が入ってから、今年もオカ研が正式に始動したと言えるのかもしれない。
なぜか彼は魔界王子と呼ばれるようになっていた。
そんな名前になった経緯はよくわからないが嵐の仕業だと紗綾は知っていた。
リアムが一度はオカ研に関わった者として地獄の皇太子と呼ばれるようになったのもそうだ。
わざと悪い噂を流して、興味本位でオカ研に寄り付かないようにしているらしい。
冷やかしは相手にしない。受けるのは本当の依頼だけである。だから、ほんの少し本当のことを混ぜるのである。
そんなある日の昼休みだった。
いつものように紗綾は香澄と話し込んでいた。
その時、やたらと周囲を気にしながら近付いてくる人物がいた。
「あ、あのさ、月舘」
その男子はやけに小声で紗綾に話しかけてきた。
尚もキョロキョロと視線を彷徨わせ、挙動不審である。
「えっと……」
紗綾も見覚えはある。同じクラスにいたはずなのだが、名前が全く出てこない。
なぜか彼は魔界王子と呼ばれるようになっていた。
そんな名前になった経緯はよくわからないが嵐の仕業だと紗綾は知っていた。
リアムが一度はオカ研に関わった者として地獄の皇太子と呼ばれるようになったのもそうだ。
わざと悪い噂を流して、興味本位でオカ研に寄り付かないようにしているらしい。
冷やかしは相手にしない。受けるのは本当の依頼だけである。だから、ほんの少し本当のことを混ぜるのである。
そんなある日の昼休みだった。
いつものように紗綾は香澄と話し込んでいた。
その時、やたらと周囲を気にしながら近付いてくる人物がいた。
「あ、あのさ、月舘」
その男子はやけに小声で紗綾に話しかけてきた。
尚もキョロキョロと視線を彷徨わせ、挙動不審である。
「えっと……」
紗綾も見覚えはある。同じクラスにいたはずなのだが、名前が全く出てこない。