Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~

「まあ、行こうか、榊」

 嵐が圭斗を促す。
 確かにこのまま十夜を待っていても無駄だろう。
 圭斗だけでも連れて行くべきなのかもしれない。

「部長はどうするんスか?」
「月舘、引きずっていいから、って言うか、むしろ引きずって黒羽連れてきて」
「む、無理です! 私にはできません!」

 なんてことを言い出すのだろうか。
 紗綾は何度も首を横に振る。

「顧問命令ね」
「は、はい……」

 にっこり笑む嵐と命令という言葉につい返事をしてしまったものの、十夜を引きずるなど紗綾には恐ろしくてできるはずもない。

「ネクタイ引っ張ってくればいいんじゃないっスか?」

 圭斗は軽く言うが、去年の仕返しだとしても、呪われてしまうと紗綾は思う。
 しかし、二人は無情にも先に行ってしまった。
 そうなると紗綾は追い詰められた気持ちになる。