Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~

「これ、緩めちゃダメなんスか? 苦しいって言うか、俺のキャラ的に」

 はっきり言ってしまえば、きっちりと締められたネクタイは彼には似合わない。
 初めて会った時は、そうしていたが、あの時は髪も黒かったし、アクセサリーの類もしていなかった。今とは違うのだ。

「ダメ。これから行くところ的にNG」

 それでもまだダメなのではないかと紗綾は思う。

「どっか行くんスか?」
「本当はその頭もあんまりよろしくないんだけど、今更取り繕っても仕方がないし、どうせ知られてるし」

 髪を染めてくるように言わなかったのは嵐だ。アクセサリーの類を外させるわけでもない。
 いくら自由な校風だと言っても、抵抗を持つような場所に行かなければならない。
 あの場所に着いてしまったら、彼はどう思うのだろうかと紗綾は何となく考えてみた。しかし、考えてみても仕方のないことだった。