Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~

 目を開ければ圭斗が微笑み、手が離れる。
 それを少しばかり名残惜しくも思うのだ。

「ね、先輩にも視えたでしょ?」

 紗綾は頷く。
 何か普通では視えないものを確かに視てしまった。
 何も感じないが、今もすぐ側にいるのだろうか。

「あれが、圭斗君の眷属……?」
「そうっス」

 眷属というものの存在は知っていた。
 実際、十夜が動物ではないものの、連れているらしいからだ。
 今まで視たことなどなかったからこそ、すぐには信じられないが、あの姿はやはりそうなのだろう。

「善美ちゃんが見た犬、なんだよね?」

 大きな犬と彼女は言っていた。

「一応、犬じゃなくて、狼なんス」
「おおかみ……」

 言われてみれば、確かにそんな感じだったかもしれない。