Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~

「先輩にも視える」

 もう一度、圭斗が言う。だから、紗綾は思わず苦笑いを零す。

「視えないよ」

 視えるはずがない。
 その否定を覆したところで何も変わらない。

「視える。俺がそれを証明してあげる」

 圭斗は穏やかな笑みを浮かべているように見えた。
 冗談を言っている風ではない。
 彼は先ほどから、ふざける様子などない。否、いつだって彼は真っ直ぐだった。
 眩しく目を逸らしたいほどに。
 日の光を浴びてその髪は煌めいて、太陽がひどく近くにある気がした。

「手、出して」
「手?」
「うん、両手」

 言われるがままに、おずおずと両手を差し出せば、圭斗の手が重なる。