Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~

「でも、あなたは一生懸命誰かを理解しようとしてます。私は理解されたいと思うだけで理解しようとはしなかったから……」

 難しいことを考える子だと紗綾は思った。
 文学的な影響なのか、自分では到達できないところにいるような気がする。
 だけど、無理に辿り着こうとは思わない。それが逃げだとしても、その資格があるならば自然に道は見えてくると思うのだ。

「私はただちょっと運が悪いだけで、何もできないことはよくわかってる」
「何があっても、あなただけは側にいてあげて下さい。それだけできっと十分です」

 それは十夜の言葉とも重なる。
 それは必要だということなのか。
 答えははっきりとは出なかったが、昨日は見ることのなかった本物の笑みに何故か自分が救われたような気がした。