Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~

「じゃあ、誰が……」
「貴様だ」
「そんなわけありません」

 今度は十夜が自分をじっと見ている気がした。紗綾は困惑する。
 まさか、寝惚けているわけではないだろうが、信じることはできない。

「わからないのか」
「わかるはずがないです」

 一体、何をわかれと言うのだろうか。
 十夜はどうしてしまったのだろうか。

「だが、貴様は正体を知っていたはずだ。あいつのことも、怨霊のことも」
「知りません」

 圭斗のことは本人から聞いて知っていた。
 生霊のことも全く心当たりがないと言うわけではないが、気のせいだと、考えすぎだと、自分の心にしまい込んで忘れてしまいたかった。

「それは、あれと同じ言いようだと思わないのか」

 もしかしたら、十夜はずっと聞いていたのかもしれない。
 善美の言葉を紗綾も忘れたわけではない。