「意味があるなら知りたいと思うのはいけないことですか?」
「あの女が答えると思うのか?」
十夜の言う通りだった。
彼女が教えてくれたことなどない。いつだって何もわからないまま押し付けられてきた。
「力になりたいと思うことは……?」
この一年、彼らの苦悩を見てきた。ただ、見てきただけだった。
「必要ない。いればいい。それだけだ」
「でも、枷にはなりたくないんです」
「何も考えるな」
「考えずにはいられないんです」
考えずにどうしろと言うのか。
目で見えないものを、手で触れられないものを本当の意味で理解することなどできないと言うのに。
一瞬、十夜が困ったような表情をした気がした。けれど、薄暗い廊下でのことだ。気のせいなのかもしれない。
「あの女が答えると思うのか?」
十夜の言う通りだった。
彼女が教えてくれたことなどない。いつだって何もわからないまま押し付けられてきた。
「力になりたいと思うことは……?」
この一年、彼らの苦悩を見てきた。ただ、見てきただけだった。
「必要ない。いればいい。それだけだ」
「でも、枷にはなりたくないんです」
「何も考えるな」
「考えずにはいられないんです」
考えずにどうしろと言うのか。
目で見えないものを、手で触れられないものを本当の意味で理解することなどできないと言うのに。
一瞬、十夜が困ったような表情をした気がした。けれど、薄暗い廊下でのことだ。気のせいなのかもしれない。

