Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~

「あのさ、静かにしてくれない? 集中できないんだけど」

 眠っていたはずの圭斗が目を開き、険しい顔をしている。

「ごめん、圭斗君……」
「紗綾先輩はいいんスよ。うるさくないっスから」

 紗綾がシュンとすれば、圭斗は微笑む。安心させようとしてくれたのかもしれないが、その表情には硬さがある。

「あたしがうるさいって言いたいわけ!?」

 圭斗の物言いに善美が憤慨する。
 まるで香澄とのやりとりを見ているような気分になるが、そんな和やかな状況ではない。

「ああ、そうだよ。気が乱れる」
「あんたは既に乱れてるじゃないの!」

 圭斗は寝ていたわけではなかったようだ。
 やはり、彼はサイキックなのだと紗綾は認識する。
 きっと寝ているフリをして、周囲を警戒してくれていたのだと解釈することにした。