Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~

 善美に連れられ、商店街を歩けば、やはり自分達の町とは違うと紗綾は感じる。
 当たり前のことだが、改めてそう思うのだ。
 紗綾の住んでいるところも都会的というほど都会でもない。
 遠く離れているわけでもないのだが、善美にとっては十分に都会になるのかもしれない。
 あまり町の外に出ない紗綾は珍しさから、妙にキョロキョロと周囲を見てしまう。
 しかし、圭斗の方は堂々たるもので、溜息を吐き、ぽつりと言った。

「……寂れ商店街」
「け、圭斗君!」

 さすがにそれは失礼だ。いくら善美本人が大したものがないと言っていたとしても。
 紗綾は慌てたが、圭斗は飄々としていた。

「だって、事実じゃん。ほんとに何もない」

 思ったことを言って何が悪いとばかりだ。
 何もということはないだろうに、まるで何か恨みでもあるようなひどい言いようだ。

「人情があるのよ、人情が! あんたには、あんたなんかにはわからないでしょうけどね! フンッ!」

 善美は憤慨するが、紗綾は宥めるよりも、やはり香澄がいるみたいだと思ってしまった。
 遠慮のないところが本当に似ているのだ。
 自分をどこまでも引っ張って行ってくれるような、強さと優しさを持っているような気がした。
 彼女が遊びに行こうと誘ってくれたおかげでほっとしてもいる。
 同時に不安もある。あちらについて行かなくて、どうして生贄を選べるというのだろうか。
 紗綾には圭斗の考えも魔女の考えもさっぱりわからなかった。