Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~

「ねぇ、紗綾はこんな先輩、恐くないの?」
「えっ……」

 善美に悪気はなかったのだろうが、思わず紗綾は固まってしまった。

「何? 何か脅されてる?」

 沈黙が誤解されつつある。
 けれど、それをわかっていても何と言えばいいのか、紗綾は迷っていた。

「いや……俺、後輩だし」

 圭斗も複雑そうな表情であった。

「ウソっ……三、二、一だと思ってた」

 信じられないと言った様子の善美は、リアム、圭斗、紗綾の順に指さした。しかし、一つも合っていない。

「二人とも一年生だよ。私は二年」
「じゃあ、あたしの二個上?」
「そうなるね」

 一年も二年も誤差の内だ。特に気にもならなかった。
 むしろ、善美と同じか下に見られても不思議ではない。中学生に間違われるのは当たり前のこととなりつつある。