Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~

「でも、八千草先輩は面白いです」
「お願いだから、さりげなく俺が面白くないみたいなこと言わないで。あれは奇人変人なの、ちょーが付くド変人なの。奇行師なの。近付くと損しちゃうの。まさか今でも連絡取ってるとかないよね?」
「昨日、電話かかってきましたよ。今日のことが気になるみたいで。相変わらず元気みたいです」
「うわっ、絶対拒否った方がいいって。あいつの不幸もらっちゃうから」

 そこまで変な人じゃないと紗綾は思うのだが、嵐がかなり迷惑がっていたことは知っている。
 その不幸に巻き込まれて損をしてきたのは嵐達だ。

「ねぇ、八千草って誰?」

 自分が蚊帳の外なのが気に食わないのか圭斗は問いかけてくる。

「前の部長さん。凄く面白い人なの」
「確かに強烈だけどね。あの黒羽も滅茶苦茶振り回されてさ」

 卒業した先代の部長八千草は部の中心人物だったと紗綾は思っている。
 十夜でさえ不遜な態度を取れなかったという貴重な人物なのだ。
 その十夜はずっと黙っていたが、自分の名前が出たことにより、紗綾に視線を投げた。これ以上余計なことは喋るなという無言の威圧に紗綾は一時的に逃げ出すことを決意した。