「俺には関係ないっスから」
「でも、あっちはそうは思ってくれないかもしれないよね」

 既に将仁にとって圭斗はオカ研の一員だろう。既成事実とも言えるかもしれない。
 能力があろうと、なかろうと、本当に困った時には関係ないことだ。
 溺れる者は藁をも掴むのだから。

「面倒臭い人間ばっかりっスね」
「そうそう、本当に嫌になっちゃうよ。月舘だけが俺の癒しだよ」

 圭斗が溜め息を吐けば、嵐も頷いたらしかった。

「もう何も言う気になれなくなってきたっスよ」

 九鬼嵐とはこういう男なのだと圭斗は悟っていた。
 きっと構えば構うほど面倒臭くなる。適当に聞き流した方が利口だと。