魔女の車に紗綾が乗せられ、当然のように嵐の車に乗ろうとしていた十夜もそちらに連れて行かれた。
 十夜は嫌そうに、助けろとばかりに嵐を見ていたが、逆らえなかった。
 魔王にも逆らえない苦手なものがあると明らかになった瞬間だった。

 残るのは圭斗とリアムである。
 何も状況がわかっていないでピクニック気分のリアムを見て、圭斗は苛立っていた。
 リアムを見るとどうにもイライラするのだ。
 彼のせいで物事が順調にいかなくなったと恨めしく思っている。オカ研に相応しい人物ではない。
 それに、性格的に根本的に合わないとも感じる。

 だから、嵐に促され、乗り込もうとするリアムを圭斗は背後から気絶させた。
 そして、無理矢理後部座席に押し込むという暴挙に及んだのだ。