Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~

「おい、貴様、いつまでそんな格好をしている? 早く着替えてこい、目障りだ」

 圭斗が入部届けという名の契約書にサインしたのを見届けたところで十夜は紗綾を睨む。
 すみませんと一礼して紗綾は部屋の隅に置いた制服を取ろうとしたが、腕を掴まれてできなかった。

「えー、いいじゃんいいじゃん、ゴスロリ! 今日はまだこの格好でいいじゃん! 眼福眼福」
「貴様、教師の言うことか!」

 紗綾の腕を掴み、嵐は子供のように主張したが、それを聞き入れる十夜ではない。
 部内での二人の立場は対等、あるいは十夜の方が上である。
 複雑な事情に由来するものであるのだ。

「この素晴らしさがわからないなんて! ムッツリスケベのくせに」

 嵐は後ろから紗綾の両肩を掴み、ずいっと前に出すが、十夜をより一層不機嫌にさせるものでしかなかった。