Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~

「俺は何もしていない。現実を見ろ」
「そんなの、あんたなんかに言われたくないわよ!」

 十夜の言葉は香澄にとっては屈辱的なものだったらしい。
 けれど、そんな中、もう一度、コインが動き出す。
 香澄はテーブルの下を覗くが、何も見当たらなかったようだった。
 紙を引っ繰り返してもただの紙、コインもただのコインだ。
 そもそも、十夜はコインを置いただけで触れてはいない。嵐や光も何かをしている様子はなかった。

 ならば、なぜ、それは自分の名前を指したのか。
 本当に彼の守護霊だというものの仕業だとして、なぜ、自分なのか。
 本来、サイキックを示すはずだったのならば彼に問題があるのか。
 それとも、自分には何か隠された力があるとでも言うのか。
 否、そんなことはあるはずがないのだ。
 だが、これが、仮に、完全に無差別なくじだとしたら、サイキックも何も関係のないものだとしたら……