Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~

「俺のことはいいよ。担任だもん」
「そうなの? じゃあ、クッキーって呼んであげてね!」
「……お前のせいで定着しちゃったよ、それ」

 光は親しみを持たせようとしているのだろうが、嵐としてはあまり好ましくないようだった。

「いいじゃん、いいじゃん! 気軽に呼べるのが人気の秘訣さ! 何だかんだモテモテじゃんか! 俺、クッキーの人気に嫉妬しちゃうよ! 俺も毎日女の子達に囲まれたいっ! パラダイスしたい!」
「クールじゃないんだよ。はっきり言ってお前のセンスは最悪だ」
「だってさ、クッキー、名前が怖いじゃん? 鬼だよ、鬼! ぎゃおーっだよ。しかも九……って、鬼ってどう数えるの? 柱?」
「それは神様。動物として扱うなら匹で人間的な性格を持つものなら人」
「ワーオッ、クッキー、物知り! そっちの先生じゃないのに!」

 無邪気な光に、嵐は呆れた様子で、無駄な労力を使ったとでも思っているようだった。
 しかし、少し落ち着いて観察してみれば、光はどこか子供っぽさを感じさせる物言いだが、長身であり、それなりに整った顔をしていた。
 そして、彼も十夜と同じように黒いネクタイをしているが、上手く結べていないのは愛嬌だろうか。
 いずれにしても、どこか残念な感じがするのは否めない。残念すぎるのだ。