Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~

「うわっ、黒羽、今、笑った? お前、笑っただろ!?」
「事実だからな」

 紗綾には十夜が笑ったようには見えなかった。笑い声さえ聞かなかった。
 じっと見詰めても、その背中は壁を作っているようで何も読み取ることはできない。

「俺のどこが不良教師だって言うの!?」
「そう言われてるんですか? 九鬼先生?」

 嵐は心外だと言いたいようだったが、香澄はその隙を見逃さなかった。

「いや、ほら、俺ってちょっとロックな男に見えるらしいからさぁ……ね?」

 嵐は必死に取り繕おうとしたが、それで納得する香澄でもなかった。
 若く、イケメン教師と言われるような男だが、どことなく軽いのだ。それが香澄の言う胡散臭さに繋がっているに違いない。
 更に追及するように嵐を睨み、そんな中、十夜は口を開く。