とにかく周 囲からの視線が痛い。
このまま逃げ出してしまいたいと思いながらも、いつしか紗綾は部室の前に立っていた。
部室もまた独特の雰囲気を醸し出すのが、オカルト研究部だ。
ドアの窓には中が覗けないように黒い紙が張られ、色々なものが貼り付けられている。その大半はなぜかメタルバンドのステッカーであったりする。
控え目にノックし、紗綾はドアを開け、圭斗も続いて入る。
そして、二人に冷たい視線が突き刺さる。
「あ、あの、生贄、です」
「フン、貴様でも役に立つ日が来ると思ったが……やはり役立たずだ」
部屋の中央に置かれたソファーから二人を一瞥して、言い放つのはまるで人形のような男だ。
白い肌、鋭い瞳、漆黒の髪は長く、前髪が顔の半分近くを隠している。
学年によってネクタイの色は違うのだが、彼はどの学年とも違う黒いネクタイをしている。
「す、すみません……」
紗綾は萎縮しながら小さな声で言った。
黒羽十夜(くろはとおや)、このオカ研の部長であり、香澄の言う性悪男だ。
部員であり、一応、副部長である紗綾への優しさはほとんど見られない。
このまま逃げ出してしまいたいと思いながらも、いつしか紗綾は部室の前に立っていた。
部室もまた独特の雰囲気を醸し出すのが、オカルト研究部だ。
ドアの窓には中が覗けないように黒い紙が張られ、色々なものが貼り付けられている。その大半はなぜかメタルバンドのステッカーであったりする。
控え目にノックし、紗綾はドアを開け、圭斗も続いて入る。
そして、二人に冷たい視線が突き刺さる。
「あ、あの、生贄、です」
「フン、貴様でも役に立つ日が来ると思ったが……やはり役立たずだ」
部屋の中央に置かれたソファーから二人を一瞥して、言い放つのはまるで人形のような男だ。
白い肌、鋭い瞳、漆黒の髪は長く、前髪が顔の半分近くを隠している。
学年によってネクタイの色は違うのだが、彼はどの学年とも違う黒いネクタイをしている。
「す、すみません……」
紗綾は萎縮しながら小さな声で言った。
黒羽十夜(くろはとおや)、このオカ研の部長であり、香澄の言う性悪男だ。
部員であり、一応、副部長である紗綾への優しさはほとんど見られない。

