本当にこれでいいのか。
部室を目指しながら、紗綾は考える。
彼の身長ならバレー部やバスケ部が欲しがるかもしれない。
それをあの墓場に連れて行って未来を奪っていいものか。
結論が出たはずのことを蒸し返すのは、そもそもあの二人に会わせるべきではないのかもしれないと思うからだ。
生贄になることで、あるいは、二人と知り合うことで被る被害は紗綾が一番よく知っているのだから。
「ねぇ、圭斗君」
「何スか?」
紗綾は勇気を出して呼びかけた。
何とかこの善良な男子生徒が道を踏み外すのを止めなければならないかもしれない。そんな妙な使命を感じてしまっていた。
そもそも、生贄などあってはいけないのだ。
「えっと……運動部とか、興味ないの?」
「何でっスか?」
どうにか誘導しようと切り出してみれば、圭斗が眉を顰めたのがわかった。
「だって、背、高いから」
適当な理由だったが、圭斗はと納得したようだった。
既に数々の部から勧誘を受けた後なのかもしれない。
部室を目指しながら、紗綾は考える。
彼の身長ならバレー部やバスケ部が欲しがるかもしれない。
それをあの墓場に連れて行って未来を奪っていいものか。
結論が出たはずのことを蒸し返すのは、そもそもあの二人に会わせるべきではないのかもしれないと思うからだ。
生贄になることで、あるいは、二人と知り合うことで被る被害は紗綾が一番よく知っているのだから。
「ねぇ、圭斗君」
「何スか?」
紗綾は勇気を出して呼びかけた。
何とかこの善良な男子生徒が道を踏み外すのを止めなければならないかもしれない。そんな妙な使命を感じてしまっていた。
そもそも、生贄などあってはいけないのだ。
「えっと……運動部とか、興味ないの?」
「何でっスか?」
どうにか誘導しようと切り出してみれば、圭斗が眉を顰めたのがわかった。
「だって、背、高いから」
適当な理由だったが、圭斗はと納得したようだった。
既に数々の部から勧誘を受けた後なのかもしれない。

